CーHRのCMが楽しい
C-HRはRAV4以来のビッグブームを引き起こすか?
日本でSUVというとRAV4(日本では2016年で製造終了)が代名詞といってもいいほどのインパクトがありました。
最近ではももクロのCMが大ヒットしているスズキのハスラーが人気ですよね。
コンパクトでカスタマイズができて、遊び心もあって、街乗りOKというユーザーニーズを掴みました。
とはいっても、ハスラーは少しコンパクトで、30代40代以上の男性にはちょっと物足りない印象もあります。
価格が1078,920-と手ごろですが排気量658ccの軽自動車ですからね。マニュアル仕様もあるとは言え、SUVの走りとしては物足りない部分もあったのではないでしょうか?
ユーザーの「欲望」を満たすクルマ
そこでトヨタが披露したのが本格SUVでありながら、街乗りにもフィットする高度なデザインと機能性が融合したC-HR。
2017 Toyota C-HR CM Japan Full Ver.(トヨタ C-HR)
ホンダのヴェゼルとC-HRのスペックを徹底比較
ホンダのヴェゼルは排気量1.5リッター・132ps(RU1)・最大トルク15.9kgf/mでパワフルなんでですが、見た目はSUVというよりセダンというか、ちょっとおとなしすぎました。。。
燃料タンクがガソリン車でも40リットルしかないのもちょっと残念なところ。
一方、C-HRはハイブリッドモデル(G)が1.8リットル、98PS、最大トルク14.5kgf/m。
ガソリン車(G-T)が1.2リットル直噴ターボ、116PS、最大トルク18.9kgf・mになっています。
パワーをとるか、トルクを取るかは好き好きですよね。
C-HRはデザインのアグレッシブさが光ります。
まさに「次世代の世界戦略SUV」として練りに練ったデザインと言えそうです。
個人的には「(日産やホンダに較べて保守的なイメージのある)トヨタにしては攻めすぎた?」という印象もなくはないですが、実際、海外ではBMW/ダイムラーベンツ・アウディなどともしのぎを削っている市場ですので、これぐらいしないと勝てないのかもしれません。
それでもアウディのQ5が2リットル車ながら600万円を越えることを考えると、トヨタがだいぶ大きな市場を狙っていることは明らかです。
ハスラーとC-HRのCMを比較
このC-HRのCM、スズキのハスラーと対比すると面白いですよね。
スズキ ハスラーCM | トヨタ C-HR CM |
---|---|
Dr.スランプ(アラレちゃん)(鳥山明氏) | 同じ少年ジャンプの人気コミックですが、「北斗の拳」の原哲夫氏 |
すでに国民的アイドルで、にこやかで自由なももクロ | 少し硬派なルックスの新進ファッションモデルの伊藤ニーナ |
ホワイトバックでカスタマイズ性を前面に出したハスラーCM | 映画並みの迫力CGでパワフルな走りを前面に |
BGMはももくろのにぎやかなイメージを前面に | クイーンのギターハモリと効果音がメイン |
C-HRとハスラーのCMの比較を会社の比較と考えると?
スズキとトヨタで比較すると、トヨタは売り上げ28兆円、連結生産台数857万台なのに対して、スズキは売り上げ3兆1千億円、連結生産台数(四輪車)295万台なので、トヨタのが圧倒的に大手企業です。
しかし、ハスラーのコンセプトやCM戦略ではスズキがリード。前年に紅白出場を果たして、すでに国民的アイドルと呼ばれていたももいろクロバーZをメインキャラクターにすえ、Dr.スランプのガチャガチャしたメカとあいまって、カスタマイズの自由度を効果的にアピールできました。スズキとしてはAKB48などに比べれば後発組のチャレンジャーの勢いをかぶらせたかったのかもしれません。
一時長くなっていたハスラーの納車時期(納期)も時期や仕様によりますが、「最短で2週間、長いと1ヵ月半」というのが2016平均的なところだったようです。それでも、社長がとある新聞のインタービューで「スズキにとって大規模なCM露出は利益率を押し下げた」といった内容を語っていたので、会社の経営というのは簡単ではありません。
それに対して今回のC-HRはトヨタの「本気」が明らかに見えます。
「世界戦略SUV」という言葉だけでなく、CGなどの演出やファミコン・漫画家・ミニカーメーカーとのコラボなど、「75秒の中に可能な限り詰め込めるものを詰め込んだ」という印象です。CMのバージョンも多いですよね。最近ではYoutubeやホームページだけでの公開などもあるので、たくさんのCMバージョンがあるケースが増えてきましたが、それにしてもかなり贅沢な内容です。
C-HRのCM 全バージョンを集めてみた
【C-HR】CROSSOVER THE WORLD #1 トミカ篇
【C-HR】CROSSOVER THE WORLD #2 ストⅡ篇
【C-HR】CROSSOVER THE WORLD #3 原哲夫篇
【C-HR】CROSSOVER THE WORLD #4 大友克洋篇
これが最後に、
第1弾トミカ、第2弾ストリートファイターII、
第3弾原哲夫(北斗の拳の作者)、
第4弾大友克洋(AKIRAの作者)の世界を
C-HRが縦横無尽に駆け巡る!!
となっていました。
【C-HR】CROSSOVER THE WORLD 篇 75秒
なるほど、納得です。
トヨタがハスラーに感じた危機感
意識しすぎかもしれませんが、実際、トヨタはスズキのハスラーの大ヒットに危機感を抱いていたそうです。
SUVというよりカスタマイズできるというところがハスラーのヒットのポイントですが、そこはトヨタのカンバン方式大量生産と整合させるのが難しいところですからね。
でも、やっぱりユーザーニーズはそこ(カスタマイズ)にあったのです。
数年前、トヨタのプリウスが大ヒットしたとき、右も左もプリウスで、「欲しいな」と思うと同時に「嫌だな」と思った人は多いはず。
Voxyもそうですよね。
大手自動車メーカーならではの悩みです。
大手自動車メーカーならではの悩み
販売開始から約1ヶ月で約4万8000台を受注したという大人気のC-HRですが、納期は2ヶ月程度という情報もあります。
また、トヨタの今年度の利益にどれくらいC-HRが貢献するのかにも注目です。